第63回日本肝癌研究会

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会長挨拶

第63回日本肝癌研究会
会長 田中 真二(東京科学大学 分子腫瘍医学)

第63回日本肝癌研究会を主催するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。
本研究会は1965年に創設され、肝癌の研究と診療を繋いで、診断・治療の新たな地平を果敢に切り拓いてきました。その弛まない歴史の積み重ねの上に、第63回のテーマとして「進化する肝癌診療」を掲げました。
現在、肝癌診療は、複合免疫療法、分子標的治療、ゲノム医療などの進展、ロボット支援手術、移植および再生医療などの技術革新、AIやデジタル医療の導入など、かつてない速度で大きな変革期を迎えています。これらの新規治療を真に最適化し、層別化された医療へと昇華させるためには、基盤研究による分子病態のより深い理解が欠かせません。近年著しい進歩を遂げた多重空間オミクス解析などの最先端技術は、がん細胞や微小環境の多様性を詳細に描き出し、創薬・治療標的の同定と作用機序の解明に新たな光を当てています。
これらの新しい診療や技術を積極的に取り入れ、次世代の診断・治療体系へと発展させるダイナミズムとしての「進化」だけでなく、これまで蓄積されてきた基礎的知見や臨床経験をさらに追究し、肝癌という疾患の本質を理解する「深化」も不可欠な視点です。本研究会では、外科・内科・放射線科・病理学、さらには工学や情報科学など多領域の叡智を結集し、臨床解析および基礎研究から得られた知見を多角的に統合することで、これらを臨床現場に還元する道を真摯に探究したいと考えています。
この知の融合と協調こそが、肝癌診療の未来を拓く揺るぎない原動力になると確信しています。そして、進化と深化の先に、肝癌患者の生命予後の改善という私たちが目指す腫瘍医学の「真価」が発揮されるものと期待しています。
本研究会が、分野や世代を超えて議論を深め、次の進化を生み出す契機となりますよう、多くの皆様のご参加を心よりお願い申し上げます。

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